「いい歯してらっしゃる」
 黄色い昼間の光線の向こうで管理栄養士さんは私よりも頑健な歯並の持主だ。
「歯ごたえのある食材をその歯でがつがつ噛んで食べるのが人間の食事です。飲料にたよった補完食事をしていると体によくありませんよ」
 槌うちのように砕いて臼みたいに練るのがいいらしい、よく聞く話でもっともだと肯定した。この分だと、昼食はさぞかし歯ごたえのある献立だろうと期待したが煮魚一片と野菜、トマト、果物で獅子頭の歯に叶うものではなかった。
 代わりにといってはなんだが、ご飯を砕き練って食べたのを朝食とりながら光のなかで思い出した。 

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